昨年12月30日に逝去された演歌界の巨星、八代亜紀さんの一周忌を記念し、彼女の姿をかたどった銅像が東京都品川区の安養院に建立されました。八代さんの代表曲「雨の慕情」を歌う姿を再現したこの銅像は、彼女が築き上げた豊かな音楽の歴史を象徴するものです。
銅像の詳細と建立の経緯
八代亜紀さんのご両親が眠る安養院には、彼女自身も埋葬されています。生前、八代さんは安養院の住職に「モニュメントを建てたい」と相談していたことがきっかけで、今回の銅像建立が実現しました。
銅像は等身大の高さ160センチで、彼女の親しみやすい人柄や、歌手としての情熱を感じられる仕上がりとなっています。彫刻を手掛けたのは、日展特別会員の堤直美さん。堤さんは「化粧したステージ上の姿ではなく、彼女の優しさがにじむ素顔を表現した」とコメント。ブロンズの質感を活かしたデザインで、誰もが触れられる親しみやすい銅像となりました。
除幕式の様子
12月19日に行われた除幕式には約110人が参列し、八代亜紀さんへの想いを語り合いました。式では、彼女の代表曲「なみだ恋」や遺作の「想い出通り」を作詞した悠木圭子さんも「亜紀ちゃんは多くの愛を与えてくれた」と涙ながらに語りました。
また、境内には八代さんが自ら書いた詩が刻まれた石碑も移設されています。その詩には「遠まわりでも つまずきながらでも ひとすじに生きる それがすばらしき人生」との言葉が綴られており、彼女が歩んだ人生とファンへのメッセージが感じられます。
銅像が象徴するもの
銅像のモチーフは1980年に日本レコード大賞を受賞した「雨の慕情」。左手を天に向けたポーズは、今もファンの心に刻まれる八代さんの姿そのものです。この銅像は単なる記念碑ではなく、彼女の歌や生き方を後世に語り継ぐシンボルとして、多くの人に愛されることでしょう。
見学は自由に
安養院に設置された銅像は、誰でも自由に見学することが可能です。ファンの方はぜひ、八代亜紀さんの優しさと音楽への情熱を感じるこの場所を訪れてみてください。「ブロンズになった八代さんを触ってあげてほしい」と堤直美さんが語るように、彼女の温もりを感じる特別な体験ができるでしょう。
八代亜紀さんの音楽と心の豊かさをしのぶこの銅像は、ファンにとって新たな巡礼地となるはずです。